初期設定

本章ではOpenBlocksのFWをLinuxコンピュータとして動作させるための必要最小限の設定の説明を行っています。
したがってOpenBlocksの主要機能であるIoTサービスなどの機能追加については別章にて解説しています。

使用許諾画面項とネットワーク設定画面項は工場出荷状態の時に必ず設定が必要ですが、タイムサーバーの設定項からの後の項はシステムを安全に使うために必要な警告もあるので本章は最後までお読みください。
またネットワーク設定画面項は上流ネットワークに対して有線・無線LANの設定と下流となるネットワーク設定について解説されているため複雑になりますがシステムに適した構成を選んで設定してください。

使用許諾画面項からシステム再起動による設定項目の反映項は工場出荷状態の時に必ず設定が必要ですが、管理者ログイン画面項からの後の項はシステムを安全に使うために必要な警告もあるので、本章は最後までお読みください。
またネットワーク設定画面項は上流ネットワークに対して有線・無線LAN・モバイル回線の接続設定と、下流となるネットワーク設定について解説されているため、複雑になりますがシステムに適した構成を選んで設定してください。

セキュリティ向上のために必須要件

本章にて解説しているWEB-UIの管理者アカウント設定項とrootパスワードの設定項はセキュリティ上たいへん重要です。
ここは特に大切ですので、ハッキングされ難い強度の高いパスワードを設定してください。

使用許諾画面

initial

本装置に何も設定されていない出荷直後では、本装置における使用許諾契約書の画面が表示されます。
この使用許諾に合意出来る場合のみ本装置を利用することが出来ます。

画面をスクロールして契約内容を確認の上で同意するを選択し次の画面の管理者アカウント設定に進みます。
同意しないを選択した場合には、排他制御によって他のWEBページにリダイレクトされます。

管理者アカウントの設定

initial_ac

使用許諾契約書に同意した場合、WEB-UIの管理者アカウントとパスワード入力画面が開きます。 入力中のパスワードを表示させるには「入力パスワード表示」を押してください。

設定情報を入力し保存ボタンを押すとOpenBlocks最初のコンフィグレーション情報が書き込まれます。

また、ここではまだOpenBlocksを再起動しないでください。
少なくともネットワーク設定をきちんと書き込んでからでないとWEB-UIからアクセスできなくなります。

コンフィグレーションが書き込まれますと、次回のアクセスからは 使用許諾画面 項と管理者アカウント設定項の画面は表示されなくなり、WEBアクセスでの最初の画面は管理者ログイン画面が表示されます。

警告

ここで入力する管理者のユーザ名は後で変更できない為間違えないように入力してください。
このアカウントはrootユーザのパスワード変更権限を持つため、特に注意し強度の高いパスワード使用してください。

rootパスワードの設定

本装置にSSHやシリアルコンソールでLinuxログインするためのrootアカウントのパスワードを変更します。

rootpw

変更したいパスワードを確認欄と併せ2回入力し保存ボタンを押します。
本システムを本番運用する際にはセキュリティ確保のために必ずデフォルトパスワードを変更してください。

また、ここではまだOpenBlocksを再起動しないでください。
少なくともネットワーク設定を終わらせてないとWEB-UIからアクセスできなくなります。
次にタイムサーバーなどの設定を行います。

デフォルトパスワード

本装置のrootアカウントのデフォルトパスワードは0BSI0Tです。
※2つある0は数字です。(ゼロ・ビー・エス・アイ・ゼロ・ティー)

警告

この設定はrootパスワードなので、特に注意し強度の高いパスワード使用してください。

タイムサーバーの設定

以下の画面通りのデフォルト設定のままでOKです。

caution

タイムサーバーは可能な限り設定してください。
IoTシステムには正確な時間での運用が必要です。

rootpw

また、下段の位置情報設定ペインの内容はOpenBlocksの設置場所のGPS座標です。
同期ボタンを押すとクライアントパソコンのGPS座標を取り込んでしまうので、なるべくスマートフォンやタブレットをOpenBlocks設置環境の持ち込んで、このWEB画面を表示して同期ボタンを押してください。
こうするとスマートフォンのGPS座標がOpenBlocksの位置情報設定緯度経度に正しく保存されます。
位置情報設定緯度経度が正しく設定され日本国内の座標の場合、標高情報取得ボタンを押すことで標高に情報が保存されます 。
地図表示ボタンを押すと現在位置が正しく設定されたかマップを使って表示確認ができます。
なお、OpenBlocksを移動体に搭載している場合は、GPS付きLTEなどでモバイル回線からGPS座標を動的に取り込んでください。
これらGPS座標は、IoTクラウド/サーバーにセンサーデータと供に送信可能です。

設定が完了したら保存ボタンを押します。
また、ここではまだOpenBlocksを再起動しないでください。
少なくともネットワーク設定をを終わらせてないとWEB-UIからアクセスできなくなります。
最後にネットワークの設定をおこないます。

ネットワーク設定画面

OpenBlocksシリーズを利用する時に最小限の設定が必要なネットワーク設定画面です。
本装置には上流ネットワークへの接続と下流ネットワークへのDHCPサーバー機能の登録などがあります。
また、上流ネットワーク接続にはLTEなどのモバイル回線を使う場合、無線LANの親機への接続、有線LANを使って接続する3つのパターンがあります。
そして下流ネットワークに対してはOpenBlocksが無線LANの親機となるAPモード、有線LANの親機となるDHCPサーバーモードがあります。
先ずはWEB-UIのネットワークタブを開きます。

networktab

ホスト名とドメイン名の登録

下図の通り、ネットワーク基本タブの上の部分に本装置の名前などを入力するペインがあります。
以下に必要な設定を入力してください。
なおデフォルトゲートウェイDNSサーバーの設定は上流ネットワークのDHCPサーバーから取得する場合不要です。

network1
項目説明
ホスト名本装置のサーバとしての名前です。
ドメイン名本装置の所属するネットワークドメイン名です。
デフォルトゲートウェイデフォルトゲートウェイのIPアドレスを入れます。
なお、DHCPからIPを取得する場合この設定が適用されません。
DNSサーバーDNSサーバーのIPアドレスを入れます。
なお、DHCPにてIPを取得する場合この設定が適用されません。
設定する場合は基本的に2つ以上のDNSサーバーアドレスの設定を推奨します。

上流ネットワークの設定

ここでは本装置から見て上流方向のネットワーク接続(インターネットやクラウド接続)を解説します。
上流ネットワークには無線LAN有線LANまたはモバイル回線を使う方法があります。
任意の接続方法をどれか一つ選んで設定します。

無線LANの子機モードとして上流へ接続

この項では無線LANの子機クライアントモードとして上流ネットワークの親機と接続する手順を解説します。
ネットワーク基本タブの下にあるペインサービスネットワーク (wlan0)が無線LAN用の設定項目です。
このペインの使用設定のラジオボタンを使用するにすると詳細が表示されます。
以下のサンプル画面を参考にして必要な内容を入力してください。
設定が終わったら一旦保存ボタンを押しますが、まだOpenBlocksを再起動しないで下流ネットワークの設定、または、下流の設定が必要なければシステム再起動による設定項目の反映へ進んでください。

network5
項目説明
使用設定使用するを選択。
使用モードクライアントモードを選択。
SSID接続するアクセスポイントのSSIDを入力。
ステルスSSIDに対して接続する時はステルスSSIDフラグをチェック。
無線認証PSK(Pre Shared Key)かEnterpriseから選択します。
一般的なAPへのアクセスを行う場合にはPSKを指定してください。
Enterprise(認証が必用なネットワーク)の場合には、クライアントモードを参考に設定して下さい。
IPアドレス設定固定IPの場合は静的、DHCPサーバーからIPを割り当てる場合はDHCPを選択。
DHCPを選択する場合、DHCPサーバが本装置に固定IPを配布するよう設定します。
IPアドレス(静的)IPアドレスの設定が静的の時、本装置に設定するIPアドレスを入力。
WLAN検証用アドレスWLANの接続状態を監視するためのpingを送出するサーバのIPまたはFQDNを入力。
WLAN上流のping応答可能な装置を設定します。
info

FQDNとはホスト名+ドメイン名を合わせた名前。 例: docs.plathome.co.jp

警告

この項で設定された親機のSSIDを間違うと、システム構成によってはOpenBlocksのWEB-UIにアクセスできなくなることがあります。 その場合は初期化のやり直しを行ってください。

有線LANの子機として上流へ接続

有線LANを使って上流接続する時は、その上流ネットワークにはDNSサーバーやDHCPサーバー、デフォルトゲートウェイサーバーなど一般的なサービスが稼働しているものとします。
本装置がその有線LANの配下となるには以下のサンプル画面を下段の説明書を参考に設定を行います。
ネットワーク基本タブの下にあるペインサービスネットワーク (eth0)が有線LAN用の設定項目です。
※OpenBlocks IX9の場合eth0~3の4ポートあり、そのどれか一つを選んでください。 このペインの使用設定のラジオボタンを使用するにすると詳細が表示されます。
以下のサンプル画面を参考にして必要な内容を入力してください。
設定が終わったら一旦保存ボタンを押しますが、まだOpenBlocksを再起動しないで下流ネットワークの設定、または、下流の設定が必要なければシステム再起動による設定項目の反映へ進んでください。

network5
項目説明
使用設定使用するを選択。
IPアドレス設定固定IPの場合は静的、DHCPサーバーからIPを割り当てる場合はDHCPを選択。
DHCPを選択する場合、DHCPサーバが本装置に固定IPを配布するよう設定します。
IPアドレス(静的)IPアドレス設定静的の場合、設定したい固定IPを入力します。
DHCPサーバ機能このLANポートを上流ネットワーク向けに使う時は常に使用しないを選択します。
通信検証機能通常の社内ネットワーク等の安定したネットワーク環境の場合には、使用しないを選択します。
Ethernetの接続先がモバイルルーターのEthernetポート等の不安定な場合に、使用するを選択します。
使用するを選択した場合、通信検証用アドレスフォームが表示されます。表示されているホストに対してPINGによるネットワークの安定稼働確認が行われます。

モバイル回線を使って上流へ接続

この項ではLTEや3Gなどのモバイル回線を使って上流ネットワークへの接続を解説します。

標準モジュール品の場合

この設定対象はLTEや3Gなどの拡張ハードウェアが実装されていることが前提です。
(OpenBlocks IoT BX0、OpenBlocks IX9は対象外です。またOpeblocks IoT EX1/VXシリーズはオプションです。) ネットワーク基本タブの下にあるペインサービスネットワーク (モバイル回線)がモバイル回線用の設定項目です。
このペインの使用設定のラジオボタンを使用するにすると詳細が表示されます。
以下のサンプル画面を参考にして必要な内容を入力してください。
設定が終わったら一旦保存ボタンを押しますが、まだOpenBlocksを再起動しないで下流ネットワークの設定、または、下流の設定が必要なければシステム再起動による設定項目の反映へ進んでください。

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項目説明
使用設定使用するを選択してください。
地域LTE使用設定BWAとも呼ばれる地域LTE(Band 41)を使う時に使用するを選択します。
※BWA対応モジュール以外では表示されません。
GPS使用設定GPS機能を使用しない場合には使用しないを選択して下さい。
また、使用する場合には下記の2種類から選択してください。
独立型GPS:通信モジュールのみで位置情報を計算する。
アシスト型GPS:キャリア基地局情報と連動し本製品の位置情報を計算。
※GPSやアシストGPSをサポートしていないモジュールの場合、表示されない項目があります。
※この機能はSIMを挿入している必要があります。
APNキャリア指定のAPNを設定。
※LTEモジュール(KDDI)の場合、項目はありません。
ユーザ名キャリア指定のユーザ名を設定。
パスワードキャリア指定のパスワードを設定。
認証方式キャリア指定の認証方式を設定。
自動接続自動接続するを選択すると、OpenBlocks起動時から自動でモバイル回線へ接続します。
通信確認用ホストモバイル回線が上流に接続されているかをチェックするホストのIPアドレスかFQDNを指定します。
なお、LTEモデムにおいて通信確認用ホストに対し一定回数確認が失敗すると回線の再接続処理が行われます。
※本項目が”127.0.0.1”が設定されている場合、通信確認は行いません。そのため、再接続処理は実施されません。
定期再接続設定モバイル回線を定期的に再接続するかの設定です。
※機能は下段行を参照してください。
モバイル回線再接続時間[min]モデム接続が連続しているとキャリアによっては回線が強制切断されます。
そのためOpenBlocksは一定時間毎に回線を接続しなおします。
独自アプリケーションでセッション接続が連続であることを条件とする場合は注意してください。
強制SIMモードモデム搭載時にモデムが正常に認識されない場合やSIMの認識がおこなわれない場合にOpenBlocks本体の強制再起動を行う設定です。
モバイル回線が正常に接続できている場合のみ設定してください。
SIMの認識不良などが発生した時、強制再起動を行って接続の回復を試みます。
SMSコントロールモバイル回線のSMSでOpenBlocksに再起動を仕込むときなど有効にします。
通常は無効に設定します。
モデム制御項目を表示する通常は使わないので無視してください。
専用コマンドでモデムをON/OFFする場合にチェックを外しモードをユーザー制御に変更し使います。
下図がチェックを入れた時に追加される項目です。

network7

USB LTEドングルの場合

LTEや3Gなどの拡張ハードウェア未搭載のOpenBlocks IoT EX1/VX2及びOpenBlocks IX9は、一部のUSB LTEドングルを用いたモバイル回線運用が可能です。

info
  • メニューはUSB LTEドングルが未接続でも表示されます。
  • OpenBlocks IX9にてUSB LTEドングルを用いる場合、USB1(上段)ポートにUSB LTEドングルを接続してください。
  • OpenBlocks IoT VX2にてUSB LTEドングル及びACアダプタを用いる場合、USB LTEドングルとDC-IN(電源供給ライン)が物理干渉します。
    そのため、USB延長ケーブルを用いてUSB LTEドングルが物理干渉しないようにしてください。
  • 使用するUSB延長ケーブルは可能な限り太く短い物を使用してください。ケーブルが細いものや長いものの場合、電圧降下によりUSB LTEドングルが安定動作しない恐れがあります。
    なお、2mまでのUSB 2.0及び3.0の延長ケーブルでの動作確認は行っておりますが、使用するUSB延長ケーブルによっては動作しない事があります。
  • USB LTEドングル経由のモバイル回線再接続時にUSBポートの電源供給リセットを行う為、USB HUBは使用しないでください。
    (バスパワー型のUSB HUBを用いている場合、他のUSBデバイスの電源供給が瞬断され他のUSBデバイスに影響が発生します。また、セルフパワー型のUSB HUBの場合には、USB LTEドングルのリセット処理が正常に動作しない恐れがあります。)

以下がサポートしているUSB LTEドングルとなります。なお、USB LTEドングル自体の設定についてはOpenBlocksへ接続する前に、事前にWindows PC等にて通信確認まで実施してください。

メーカーモデル名
富士ソフト株式会社+F FS040U
株式会社ピクセラPIX-MT100

ネットワーク基本タブの下にあるペインUSBドングルネットワークがUSB LTEドングルを用いたモバイル回線の設定項目です。 このペインの使用設定のラジオボタンを使用するにすると詳細が表示されます。
設定が終わったら一旦保存ボタンを押しますが、まだOpenBlocksを再起動しないで下流ネットワークの設定、または、下流の設定が必要なければシステム再起動による設定項目の反映へ進んでください。

usb_lte_dongle
項目説明
使用設定使用するを選択してください。
USBドングルモデル使用するUSB LTEドングルを選択してください。
USBドングル IPアドレスUSB LTEドングル自体のIPアドレスを設定してください。
IPアドレス設定基本的にはDHCPを選択してください。
※ポートマッピング機能を使用する等の場合、静的を選択します。
IPアドレス(静的)IPアドレス設定にて静的を選択した場合、IPアドレスを設定します。
通信確認用ホストモバイル回線が上流に接続されているかをチェックするホストのIPアドレスかFQDNを指定します。
なお、一定回数確認が失敗すると回線の再接続処理が行われます。
※本項目が”127.0.0.1”が設定されている場合、通信確認は行いません。そのため、再接続処理は実施されません。
モバイル回線再接続時間[min]指定時間経過後にUSB LTEドングル自体を再起動させ、モバイル回線の再接続を行う設定です。
強制ドングルモード起動時にUSB LTEドングルが認識ができない場合にOpenBlocks本体の強制再起動を行う設定です。
info

FQDNとはホスト名+ドメイン名を合わせた名前。 例: docs.plathome.co.jp

下流ネットワークの設定

本装置から見て下流方向のネットワーク接続を解説します。
例えば本装置が無線LANの親機となったり、有線LANの親機的にブロードバンドルーター的にルーティングを行ったり、下流のネットワーク装置から見ると本装置はルーターとなります。 ただし、このルーター機能としては、ブリッジモード(上流のIPネットワーク配下としてそのIPアドレス継承し転送するモード)はサポートしておらず、全てルーターモードとして機能します。 ゆえにルーターモードの動作としては、下流側が別のネットワークドメインとしてOpenBlocksがDHCPサーバーとなりIPアドレスを下流ノードに配布します。

無線LANの親機モードとしての設定

本装置を無線LANの親機(APモード)としての設定を解説します。
WEB-UIのネットワーク基本タブに設定用ペインサービスネットワーク (wlan0)があります。
このペインの使用設定のラジオボタンを使用するにすると詳細が表示されます。
以下のサンプル画面を参考にして必要な内容を入力してください。
設定が終わったら一旦保存ボタンを押しますが、まだOpenBlocksを再起動しないでください。
他の下流ネットワークの設定が無ければシステム再起動による設定項目の反映へ進んでください。

network2
項目説明
使用設定使用するを選択。
使用モードAPモードを選択。アクセスポイントモードと言う意味です。
使用周波数2.4GHz5GHzを選択。
※無線LANが混んでいる環境では5GHzがお奨めです。
詳細を表示するにチェックを入れるとデフォルトCHの設定や国別の設定ができます。
日本国内ではJP以外の設定を行わないでください。
SSID任意のアクセスポイント名を入力。
SSIDを一般から見えないようにするにはステルスSSIDフラグにチェックを入れます。
無線認証と無線暗号化プルダウンメニューから任意のモードを選びます。
デフォルトの設定のままで使用して問題ありません。
パスフレーズ8文字以上のパスワードを設定します。
※セキュリティ上、強度の高いパスワード設定をお奨めします。
AP隔離機能APモードとして起動した際にクライアント間同士での通信を無効とする機能です。
外来者にも無線LANを使わせたい時などに使用するに設定します。
この隔離モードでは子機の全てが上流ネットワーク(インターネット)のみへのアクセス制限となります。
802.11n使用設定通常は使用しないに設定します。
APモードでかつ802.11n認証を用いる場合使用するに設定します。
IPアドレス本装置の無線LAN向けのIPアドレスと/以下にネットマスクのビット数を入力します。
IP配布レンジAPモードでは、本装置が下流ノードへのDHCPサーバとして動作します。
下流ノードがIPアドレスを取得する為、配布するIPアドレスのレンジを設定します。
DHCP用デフォルトゲートウェイDHCPクライアントに通知するデフォルトゲートウェイのIPアドレスを設定します。
DHCP用DNSサーバDHCPクライアントに通知するDNSのIPアドレスを設定します。
固定IP設定固定IPを配布する際に使用する及び設定を行います。
警告

無線LANのAPモードとして機能はしますが、専用OSを使った無線LAN親機の様に多台数のクライアントを接続したり高付加をかけての連続運用には適していません。
こういった要求仕様のあるシステムでは専用の無線LAN親機をご利用ください。

有線LANの親機モードとしての設定

本装置を下流ネットワークに対しての有線LAN親機(ルーター&DHCPサーバー)としての設定を解説します。
WEB-UIのネットワーク基本タブに設定用ペインサービスネットワーク (eth0)があります。
※OpenBlocks IX9の場合eth0~3の4ポートあり、それぞれDHCPサーバーなどの設定ができます。
このペインの使用設定のラジオボタンを使用するにすると詳細が表示されます。
以下のサンプル画面を参考にして必要な内容を入力してください。
設定が終わったら一旦保存ボタンを押しますが、まだOpenBlocksを再起動しないでください。
他の下流ネットワークの設定が無ければシステム再起動による設定項目の反映へ進んでください。

network3
項目説明
使用設定使用する場合のみ使用するを選択してください。
IPアドレス設定OpenBlocks自身のethポートのIPアドレスの設定方法そ指定します。
固定IPの場合は静的、下流ネットワークドメインのDHCPサーバーからIPを割り当ててもらう場合はDHCPを選択。
DHCPを選択する場合、DHCPサーバが本装置に固定IPを配布するよう対象のDHCPサーバーを設定します。
IPアドレス(静的)下流ネットワークドメイン内でのIPアドレス設定静的の場合、設定したい固定IPを入力します。
DHCPサーバ機能下流ネットワークの対してOpenBlocksがDHCPサーバーとなる場合使用するを選択します。
IPアドレス設定Ethernetに設定するIPアドレスを設定します。静的を選択した場合、以下の項目が表示されます。
IPアドレス(静的)静的アドレスを使用する場合には、本項目欄にてIPアドレスを設定してください。
DHCP機能サービスネットワーク(Wireless LAN)と同様にDHCP機能を使用する場合に「使用する」を選択 します。
設定項目は同様に「DHCP用デフォルトゲートウェイ」、「DHCP用DNSサーバ」、「固定IP設定」と なります。
固定IP設定DHCPクライアントへ固定IPを配布する際に使用する設定を行います。
通信検証機能通常では使用しないを選択します。
ネットワークカメラ等の通信先が存在する場合には使用するを選択します。
使用するを選択した場合、通信検証用アドレスフォームが表示されます。表示されているホストに対してPINGによるネットワークの安定稼働確認が行われますので、ネットワークカメラ等のIPアドレスを入力してください。

管理専用の有線LANポートの設定

OpenBlocksを本番運用する前までの限定的な機能ですが、これを設定しておくと開発や保管時に大変便利です。

もし空いている有線LANポートがあればWEB-UI直結用の設定をしておくと、パソコンとLANケーブル1本でOpenBlocksに簡単にアクセスできます。
以下の様に設定し保存します。
※パソコンの有線LANポートに固定IPを振っている場合は、それを解除する必要があります。

network3

この設定を入れておくと初期化の終った後のOpenBlocksでも、WindowsパソコンのLANポートとLANケーブルの接続だけでWEB-UIにアクセスできます。
WEBブラウザのURLにIPアドレスhttp://169.254.0.200:880と入れると接続できます。

警告

OpenBlocksを本番運用する時には、この設定を必ず外してください。
使用設定を使用しないに変更して保存。

システム再起動による設定項目の反映

前項までがOpenBlocksを運用するために必要な最小限の設定項目です。
このため一旦、これまでの設定情報を保存しネットワーク設定などを有効化します。
有効化すると、現在のWEB-UIまでの接続情報が設定内容によっては使えなくなりますので、再起動後はこのOpenBlocksのアドレスやSSIDが設定内容によってどう変わるのか予め意識しておくことが必要です。

警告

有線LANを使ってWindowsパソコンと1対1接続している場合このモードの使用も解除されてしまい、有線LANがユーザー設定状態にされるか、未設定の場合でも有線LANは使用しないにされてしまうので注意してください。

では、システム再起動の解説へ移ります。
ネットワーク設定の保存ボタンを押すとネットワーク設定タブの最上段に再起動のメッセージリンクが出てシステム再起動を促します。

reboot1

システム再起動には、この赤枠で表示されたメッセージの再起動リンクをクリックします。
クリックするとメンテナンスメニュー内の停止、再起動タブに表示が切り替わります。

reboot2

この画面内の再起動の実行ボタンを押します。

reboot3

さらに再起動の確認画面が現れるので実行ボタンを押すと、最終確認ウィンドウがポップアップします。
これが最後の確認でOKボタンを押すとシステム再起動が始まります。

再起動はシステムの状態によりますが、表示されているカウントダウンタイマー通り数十秒お待ちください。

info

システムが再起動されるとWEB-UIで設定された新しいIPアドレスやSSIDで起動するので、WEBブラウザには新しいOpenBlocksのIPアドレスを設定してください。
例:IPアドレスが192.168.253.254の場合、ブラウザのURLにはhttp://192.168.253.254:880かセキュアなhttps://192.168.253.254:4430を利用してアクセスします。
   また、SSIDを切り替えている場合にはPCやスマートフォンの接続するSSIDの設定を変更してください。

概ねの起動時間が経過したら、新しく設定したIPアドレスでWEB-UIにアクセスします。
IPアドレスが変更ない場合でのシステム再起動であればWEB-UIはタイマーのカウントダウン経過後自動的にリロードされます。
※WEB-UIへのアクセスはWEBクライアントが同一LAN内なら上流でも下流ネットワークのどちらかからでもアクセスできます。

管理者ログイン画面

login

本装置が出荷直後の状態にない時、最初に表示される画面です。
一度ログアウトしてしまっても、この画面からのスタートになるので、ここからログインしてください。

ダッシュボード画面

dash

本装置のWEB-UIにログインすると最初に表示される画面です。
ここではOpenBlocksのハードウェアリソースやネットワーク情報が表示されます。
サービス機能を追加登録している場合は、それぞれのデーモンの状態が表示され、それぞれのプロセスの停止や起動ができます。
最新の状態を表示させるには更新ボタンを押してください。

Linuxコマンドラインによる操作

本装置のシステム開発においては、WEB-UIによる操作のみでは不十分です。
従って、ここではLinuxのコマンドラインへのログインについて解説します。

なお、ここでの解説はWindowsパソコンを前提にしています。

コンソールからのログイン

  • BXシリーズの場合、標準添付品のケーブルをACアダプタに接続せずパソコンのUSBポート(Type-A)に接続します。

ref01

  • EX1シリーズ、VXシリーズ、IX9シリーズの場合、consoleポート(micro USB Type-B)に添付のUSBケーブルを接続しパソコンのUSBポート(Type-A)に接続します。

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WindowsのUSBシリアルドライバの確認

OpenBlocksをUSBケーブルでWindowsパソコンに接続するとUSBシリアルポートが認識されます。
USBシリアルの認識に成功するとデバイスマネージャには以下の通りSilicon LabsのCP210xまたはFTDIと表示されます。

もし、Windowsから認識されない場合は、USBシリアルドライバが登録されていない可能性があります。
その時は下記のWEBからドライバをインストールしてください。

USBシリアルドライバのダウンロードページ

通信ソフトの準備

USBシリアルの認識に成功したらTera Termなどの通信ソフトでログインします。
Tera Termの接続先はWindowsで認識されたUSBシリアルポートを選びます。

ref02

次にシリアルポートの通信設定を行います。 スピードを115200に設定します。

ref03

接続に成功したらrootログインします。

ref03

ログインパスワードは自分でセットしたパスワードを使ってください。
ログイン出来たら準備完了です。

info

OpenBlocks IX9では、一時的にコンソールが反応しなくなる現象を確認しております。
SSHからのログインを推奨いたしますが、一時的なコンソール作業にて安定化を行う場合には以下を実施してください。

  1. 起動時のGRUB画面からのボーレート変更

GRUBメニューにて起動対象を選択し、"e"キーにて編集モードに入ります。
kernel行にて、"e"キーを入力し対象行のconsole=ttyS0,115200n8console=ttyS0,57600n8へと変更しEnterキーを押します。

ChangeHardBaulate

その後、"b"キーを押すことでOpenBloks IX9が起動しはじめます。

  1. 通信ソフトのシリアルポートのスピードを115200から57600へ変更します。

ChangeSoftBaulate

SSHからのログイン

有線・無線LAN経由のSSHでLinuxコマンドラインにログインする方法もあります。

先ず、OpenBlocksのWEB-UIのシステムフィルタータブからフィルター解放設定ペインにあるSSHを有効にします。
解放ポリシーは任意のポリシーを選んでください。

SSH

設定したら保存ボタンを押します。
これでネットワークのSSHポートが開きます。

また、この状態ではSSHでのrootアカウントのログインは鍵認証となっています。 SSHの公開鍵の登録またはパスワード認証に切り替える場合は、SSHの鍵交換 項を参照しrootログイン許可設定にて許可を設定してください。

通信ソフトの準備

SSHフィルターを解放したらTera Termなどの通信ソフトでログインします。
Tera Termのファイル新しい接続で接続先のホスト名またはIPアドレスを入力します。

SSH

ログインの設定を行います。

SSH

SSH画面が開きます。

SSH

警告

SSHポートは使い終わったら必ずフィルター解放設定無効にするのを忘れずに!
どうしてもSSHを開けて運用したい場合は、SSHの鍵交換を行って鍵を持ったクライアントだけのアクセスに制限しましょう!

初期化のやり直し

設定に間違った内容を書き込んで保存してしまった時などは、WEB-UIの設定項目のみをリセットして初期設定をやり直すことができます。

OpenBlocks IoT VXシリーズおよびIX9シリーズの場合

  1. シリアルコンソールからログインしてパソコンと接続します。
  2. 次に本装置のパワースイッチを押して、本装置をシャットダウンしパワーOFFします。
  3. パワーOFFになったのを確認後にもう一度パワースイッチを押します。
  4. GRUBメニューにて”WebUI init boot”を選択します。(キー受付時間の5秒以内の選択)
  5. 本装置のネットワークが工場出荷状態で起動してきます。
  6. もう一度使用許諾画面からやり直してください。

OpenBlocks IoT BXシリーズおよびEXシリーズの場合

  1. 先ず本装置のパワースイッチを押して、本装置をシャットダウンします。
  2. 本装置のFUNCスイッチ(INITスイッチ)を押しながらパワースイッチを押しLEDステータスインジケーターが一瞬点灯したらパワースイッチのみ離します。(FUNCスイッチはそのまま)
  3. LEDステータスインジケータが黄色になったらFUNCスイッチを離します。
  4. 本装置のネットワークが工場出荷状態で起動してきます。
  5. もう一度使用許諾画面からやり直してください。
info

この初期化においてはWEB-UIに関する情報のみのリセットなので、装置全体を工場出荷状態に戻すにはファクトリーリセットの章を参照ください。