初期設定
本章ではOpenBlocksのFWをLinuxコンピュータとして動作させるための必要最小限の設定の説明を行っています。
したがってOpenBlocksの主要機能であるIoTサービスなどの機能追加については別章にて解説しています。
使用許諾画面項とネットワーク設定画面項は工場出荷状態の時に必ず設定が必要ですが、タイムサーバーの設定項からの後の項はシステムを安全に使うために必要な警告もあるので本章は最後までお読みください。
またネットワーク設定画面項は上流ネットワークに対して有線・無線LANの設定と下流となるネットワーク設定について解説されているため複雑になりますがシステムに適した構成を選んで設定してください。
使用許諾画面項からシステム再起動による設定項目の反映項は工場出荷状態の時に必ず設定が必要ですが、管理者ログイン画面項からの後の項はシステムを安全に使うために必要な警告もあるので、本章は最後までお読みください。
またネットワーク設定画面項は上流ネットワークに対して有線・無線LAN・モバイル回線の接続設定と、下流となるネットワーク設定について解説されているため、複雑になりますがシステムに適した構成を選んで設定してください。
セキュリティ向上のために必須要件
本章にて解説しているWEB-UIの管理者アカウント設定項とrootパスワードの設定項はセキュリティ上たいへん重要です。
ここは特に大切ですので、ハッキングされ難い強度の高いパスワードを設定してください。
使用許諾画面
本装置に何も設定されていない出荷直後では、本装置における使用許諾契約書の画面が表示されます。
この使用許諾に合意出来る場合のみ本装置を利用することが出来ます。
画面をスクロールして契約内容を確認の上で同意する
を選択し次の画面の管理者アカウント設定に進みます。
同意しない
を選択した場合には、排他制御によって他のWEBページにリダイレクトされます。
管理者アカウントの設定
使用許諾契約書に同意した場合、WEB-UIの管理者アカウントとパスワード入力画面が開きます。 入力中のパスワードを表示させるには「入力パスワード表示」を押してください。
設定情報を入力し保存ボタンを押すとOpenBlocks最初のコンフィグレーション情報が書き込まれます。
また、ここではまだOpenBlocksを再起動しないでください。
少なくともネットワーク設定をきちんと書き込んでからでないとWEB-UIからアクセスできなくなります。
コンフィグレーションが書き込まれますと、次回のアクセスからは 使用許諾画面 項と管理者アカウント設定項の画面は表示されなくなり、WEBアクセスでの最初の画面は管理者ログイン画面が表示されます。
警告
ここで入力する管理者のユーザ名は後で変更できない為間違えないように入力してください。
このアカウントはrootユーザのパスワード変更権限を持つため、特に注意し強度の高いパスワード使用してください。
rootパスワードの設定
本装置にSSHやシリアルコンソールでLinuxログインするためのroot
アカウントのパスワードを変更します。
変更したいパスワードを確認欄と併せ2回入力し保存
ボタンを押します。
本システムを本番運用する際にはセキュリティ確保のために必ずデフォルトパスワードを変更してください。
また、ここではまだOpenBlocksを再起動しないでください。
少なくともネットワーク設定を終わらせてないとWEB-UIからアクセスできなくなります。
次にタイムサーバーなどの設定を行います。
デフォルトパスワード
本装置のrootアカウントのデフォルトパスワードは0BSI0T
です。
※2つある0
は数字です。(ゼロ・ビー・エス・アイ・ゼロ・ティー)
警告
この設定はrootパスワードなので、特に注意し強度の高いパスワード使用してください。
タイムサーバーの設定
以下の画面通りのデフォルト設定のままでOKです。
caution
タイムサーバーは可能な限り設定してください。
IoTシステムには正確な時間での運用が必要です。
また、下段の位置情報設定
ペインの内容はOpenBlocksの設置場所のGPS座標です。
同期
ボタンを押すとクライアントパソコンのGPS座標を取り込んでしまうので、なるべくスマートフォンやタブレットをOpenBlocks設置環境の持ち込んで、このWEB画面を表示して同期
ボタンを押してください。
こうするとスマートフォンのGPS座標がOpenBlocksの位置情報設定
の緯度
と経度
に正しく保存されます。
位置情報設定
の緯度
と経度
が正しく設定され日本国内の座標の場合、標高情報取得
ボタンを押すことで標高
に情報が保存されます 。
地図表示
ボタンを押すと現在位置が正しく設定されたかマップを使って表示確認ができます。
なお、OpenBlocksを移動体に搭載している場合は、GPS付きLTEなどでモバイル回線からGPS座標を動的に取り込んでください。
これらGPS座標は、IoTクラウド/サーバーにセンサーデータと供に送信可能です。
設定が完了したら保存
ボタンを押します。
また、ここではまだOpenBlocksを再起動しないでください。
少なくともネットワーク設定をを終わらせてないとWEB-UIからアクセスできなくなります。
最後にネットワークの設定をおこないます。
ネットワーク設定画面
OpenBlocksシリーズを利用する時に最小限の設定が必要なネットワーク設定画面です。
本装置には上流ネットワークへの接続と下流ネットワークへのDHCPサーバー機能の登録などがあります。
また、上流ネットワーク接続にはLTEなどのモバイル回線を使う場合、無線LANの親機への接続、有線LANを使って接続する3つのパターンがあります。
そして下流ネットワークに対してはOpenBlocksが無線LANの親機となるAPモード、有線LANの親機となるDHCPサーバーモードがあります。
先ずはWEB-UIのネットワーク
タブを開きます。
ホスト名とドメイン名の登録
下図の通り、ネットワーク
の基本
タブの上の部分に本装置の名前などを入力するペインがあります。
以下に必要な設定を入力してください。
なおデフォルトゲートウェイ
とDNSサーバー
の設定は上流ネットワークのDHCPサーバーから取得する場合不要です。
項目 | 説明 |
---|---|
ホスト名 | 本装置のサーバとしての名前です。 |
ドメイン名 | 本装置の所属するネットワークドメイン名です。 |
デフォルトゲートウェイ | デフォルトゲートウェイのIPアドレスを入れます。 なお、DHCPからIPを取得する場合この設定が適用されません。 |
DNSサーバー | DNSサーバーのIPアドレスを入れます。 なお、DHCPにてIPを取得する場合この設定が適用されません。 設定する場合は基本的に2つ以上のDNSサーバーアドレスの設定を推奨します。 |
上流ネットワークの設定
ここでは本装置から見て上流方向のネットワーク接続(インターネットやクラウド接続)を解説します。
上流ネットワークには無線LAN、有線LANまたはモバイル回線を使う方法があります。
任意の接続方法をどれか一つ選んで設定します。
無線LANの子機モードとして上流へ接続
この項では無線LANの子機クライアントモード
として上流ネットワークの親機と接続する手順を解説します。
ネットワーク
の基本
タブの下にあるペインサービスネットワーク (wlan0)
が無線LAN用の設定項目です。
このペインの使用設定
のラジオボタンを使用する
にすると詳細が表示されます。
以下のサンプル画面を参考にして必要な内容を入力してください。
設定が終わったら一旦保存
ボタンを押しますが、まだOpenBlocksを再起動しないで下流ネットワークの設定、または、下流の設定が必要なければシステム再起動による設定項目の反映へ進んでください。
項目 | 説明 |
---|---|
使用設定 | 使用する を選択。 |
使用モード | クライアントモード を選択。 |
SSID | 接続するアクセスポイントのSSIDを入力。 ステルスSSIDに対して接続する時はステルスSSIDフラグをチェック。 |
無線認証 | PSK(Pre Shared Key)かEnterpriseから選択します。 一般的なAPへのアクセスを行う場合にはPSKを指定してください。 Enterprise(認証が必用なネットワーク)の場合には、クライアントモードを参考に設定して下さい。 |
IPアドレス設定 | 固定IPの場合は静的 、DHCPサーバーからIPを割り当てる場合はDHCP を選択。DHCP を選択する場合、DHCPサーバが本装置に固定IPを配布するよう設定します。 |
IPアドレス(静的) | IPアドレス の設定が静的の時、本装置に設定するIPアドレスを入力。 |
WLAN検証用アドレス | WLANの接続状態を監視するためのpingを送出するサーバのIPまたはFQDN を入力。WLAN上流のping応答可能な装置を設定します。 |
info
FQDN
とはホスト名+ドメイン名を合わせた名前。
例: docs.plathome.co.jp
警告
この項で設定された親機のSSIDを間違うと、システム構成によってはOpenBlocksのWEB-UIにアクセスできなくなることがあります。 その場合は初期化のやり直しを行ってください。
有線LANの子機として上流へ接続
有線LANを使って上流接続する時は、その上流ネットワークにはDNSサーバーやDHCPサーバー、デフォルトゲートウェイサーバーなど一般的なサービスが稼働しているものとします。
本装置がその有線LANの配下となるには以下のサンプル画面を下段の説明書を参考に設定を行います。
ネットワーク
の基本
タブの下にあるペインサービスネットワーク (eth0)
が有線LAN用の設定項目です。
※OpenBlocks IX9の場合eth0~3の4ポートあり、そのどれか一つを選んでください。
このペインの使用設定
のラジオボタンを使用する
にすると詳細が表示されます。
以下のサンプル画面を参考にして必要な内容を入力してください。
設定が終わったら一旦保存
ボタンを押しますが、まだOpenBlocksを再起動しないで下流ネットワークの設定、または、下流の設定が必要なければシステム再起動による設定項目の反映へ進んでください。
項目 | 説明 |
---|---|
使用設定 | 使用する を選択。 |
IPアドレス設定 | 固定IPの場合は静的 、DHCPサーバーからIPを割り当てる場合はDHCP を選択。DHCP を選択する場合、DHCPサーバが本装置に固定IPを配布するよう設定します。 |
IPアドレス(静的) | IPアドレス設定 が静的 の場合、設定したい固定IPを入力します。 |
DHCPサーバ機能 | このLANポートを上流ネットワーク向けに使う時は常に使用しない を選択します。 |
通信検証機能 | 通常の社内ネットワーク等の安定したネットワーク環境の場合には、使用しない を選択します。Ethernetの接続先がモバイルルーターのEthernetポート等の不安定な場合に、 使用する を選択します。使用する を選択した場合、通信検証用アドレスフォームが表示されます。表示されているホストに対してPINGによるネットワークの安定稼働確認が行われます。 |
モバイル回線を使って上流へ接続
この項ではLTEや3Gなどのモバイル回線を使って上流ネットワークへの接続を解説します。
標準モジュール品の場合
この設定対象はLTEや3Gなどの拡張ハードウェアが実装されていることが前提です。
(OpenBlocks IoT BX0、OpenBlocks IX9は対象外です。またOpeblocks IoT EX1/VXシリーズはオプションです。)
ネットワーク
の基本
タブの下にあるペインサービスネットワーク (モバイル回線)
がモバイル回線用の設定項目です。
このペインの使用設定
のラジオボタンを使用する
にすると詳細が表示されます。
以下のサンプル画面を参考にして必要な内容を入力してください。
設定が終わったら一旦保存
ボタンを押しますが、まだOpenBlocksを再起動しないで下流ネットワークの設定、または、下流の設定が必要なければシステム再起動による設定項目の反映へ進んでください。
項目 | 説明 |
---|---|
使用設定 | 使用する を選択してください。 |
地域LTE使用設定 | BWAとも呼ばれる地域LTE(Band 41)を使う時に使用する を選択します。※BWA対応モジュール以外では表示されません。 |
GPS使用設定 | GPS機能を使用しない場合には使用しない を選択して下さい。また、使用する場合には下記の2種類から選択してください。 独立型GPS:通信モジュールのみで位置情報を計算する。 アシスト型GPS:キャリア基地局情報と連動し本製品の位置情報を計算。 ※GPSやアシストGPSをサポートしていないモジュールの場合、表示されない項目があります。 ※この機能はSIMを挿入している必要があります。 |
APN | キャリア指定のAPNを設定。 ※LTEモジュール(KDDI)の場合、項目はありません。 |
ユーザ名 | キャリア指定のユーザ名を設定。 |
パスワード | キャリア指定のパスワードを設定。 |
認証方式 | キャリア指定の認証方式を設定。 |
自動接続 | 自動接続する を選択すると、OpenBlocks起動時から自動でモバイル回線へ接続します。 |
通信確認用ホスト | モバイル回線が上流に接続されているかをチェックするホストのIPアドレスかFQDN を指定します。 なお、LTEモデムにおいて通信確認用ホストに対し一定回数確認が失敗すると回線の再接続処理が行われます。 ※本項目が”127.0.0.1”が設定されている場合、通信確認は行いません。そのため、再接続処理は実施されません。 |
定期再接続設定 | モバイル回線を定期的に再接続するかの設定です。 ※機能は下段行を参照してください。 |
モバイル回線再接続時間[min] | モデム接続が連続しているとキャリアによっては回線が強制切断されます。 そのためOpenBlocksは一定時間毎に回線を接続しなおします。 独自アプリケーションでセッション接続が連続であることを条件とする場合は注意してください。 |
強制SIMモード | モデム搭載時にモデムが正常に認識されない場合やSIMの認識がおこなわれない場合にOpenBlocks本体の強制再起動を行う設定です。 モバイル回線が正常に接続できている場合のみ設定してください。 SIMの認識不良などが発生した時、強制再起動を行って接続の回復を試みます。 |
SMSコントロール | モバイル回線のSMSでOpenBlocksに再起動を仕込むときなど有効 にします。通常は 無効 に設定します。 |
モデム制御項目を表示する | 通常は使わないので無視してください。 専用コマンドでモデムをON/OFFする場合にチェックを外しモードを ユーザー制御 に変更し使います。下図がチェックを入れた時に追加される項目です。 |
USB LTEドングルの場合
LTEや3Gなどの拡張ハードウェア未搭載のOpenBlocks IoT EX1/VX2及びOpenBlocks IX9は、一部のUSB LTEドングルを用いたモバイル回線運用が可能です。
info
- メニューはUSB LTEドングルが未接続でも表示されます。
- OpenBlocks IX9にてUSB LTEドングルを用いる場合、USB1(上段)ポートにUSB LTEドングルを接続してください。
- OpenBlocks IoT VX2にてUSB LTEドングル及びACアダプタを用いる場合、USB LTEドングルとDC-IN(電源供給ライン)が物理干渉します。
そのため、USB延長ケーブルを用いてUSB LTEドングルが物理干渉しないようにしてください。 - 使用するUSB延長ケーブルは可能な限り太く短い物を使用してください。ケーブルが細いものや長いものの場合、電圧降下によりUSB LTEドングルが安定動作しない恐れがあります。
なお、2mまでのUSB 2.0及び3.0の延長ケーブルでの動作確認は行っておりますが、使用するUSB延長ケーブルによっては動作しない事があります。 - USB LTEドングル経由のモバイル回線再接続時にUSBポートの電源供給リセットを行う為、USB HUBは使用しないでください。
(バスパワー型のUSB HUBを用いている場合、他のUSBデバイスの電源供給が瞬断され他のUSBデバイスに影響が発生します。また、セルフパワー型のUSB HUBの場合には、USB LTEドングルのリセット処理が正常に動作しない恐れがあります。)
以下がサポートしているUSB LTEドングルとなります。なお、USB LTEドングル自体の設定についてはOpenBlocksへ接続する前に、事前にWindows PC等にて通信確認まで実施してください。
メーカー | モデル名 |
---|---|
富士ソフト株式会社 | +F FS040U |
株式会社ピクセラ | PIX-MT100 |
ネットワーク
の基本
タブの下にあるペインUSBドングルネットワーク
がUSB LTEドングルを用いたモバイル回線の設定項目です。
このペインの使用設定
のラジオボタンを使用する
にすると詳細が表示されます。
設定が終わったら一旦保存
ボタンを押しますが、まだOpenBlocksを再起動しないで下流ネットワークの設定、または、下流の設定が必要なければシステム再起動による設定項目の反映へ進んでください。
項目 | 説明 |
---|---|
使用設定 | 使用する を選択してください。 |
USBドングルモデル | 使用するUSB LTEドングルを選択してください。 |
USBドングル IPアドレス | USB LTEドングル自体のIPアドレスを設定してください。 |
IPアドレス設定 | 基本的にはDHCP を選択してください。※ポートマッピング機能を使用する等の場合、 静的 を選択します。 |
IPアドレス(静的) | IPアドレス設定にて静的 を選択した場合、IPアドレスを設定します。 |
通信確認用ホスト | モバイル回線が上流に接続されているかをチェックするホストのIPアドレスかFQDN を指定します。 なお、一定回数確認が失敗すると回線の再接続処理が行われます。 ※本項目が”127.0.0.1”が設定されている場合、通信確認は行いません。そのため、再接続処理は実施されません。 |
モバイル回線再接続時間[min] | 指定時間経過後にUSB LTEドングル自体を再起動させ、モバイル回線の再接続を行う設定です。 |
強制ドングルモード | 起動時にUSB LTEドングルが認識ができない場合にOpenBlocks本体の強制再起動を行う設定です。 |
info
FQDN
とはホスト名+ドメイン名を合わせた名前。
例: docs.plathome.co.jp
下流ネットワークの設定
本装置から見て下流方向のネットワーク接続を解説します。
例えば本装置が無線LANの親機となったり、有線LANの親機的にブロードバンドルーター的にルーティングを行ったり、下流のネットワーク装置から見ると本装置はルーターとなります。
ただし、このルーター機能としては、ブリッジモード(上流のIPネットワーク配下としてそのIPアドレス継承し転送するモード)はサポートしておらず、全てルーターモードとして機能します。
ゆえにルーターモードの動作としては、下流側が別のネットワークドメインとしてOpenBlocksがDHCPサーバーとなりIPアドレスを下流ノードに配布します。
無線LANの親機モードとしての設定
本装置を無線LANの親機(APモード)としての設定を解説します。
WEB-UIのネットワーク
>基本
タブに設定用ペインサービスネットワーク (wlan0)
があります。
このペインの使用設定
のラジオボタンを使用する
にすると詳細が表示されます。
以下のサンプル画面を参考にして必要な内容を入力してください。
設定が終わったら一旦保存
ボタンを押しますが、まだOpenBlocksを再起動しないでください。
他の下流ネットワークの設定が無ければシステム再起動による設定項目の反映へ進んでください。
項目 | 説明 |
---|---|
使用設定 | 使用する を選択。 |
使用モード | APモード を選択。アクセスポイントモードと言う意味です。 |
使用周波数 | 2.4GHz か5GHz を選択。※無線LANが混んでいる環境では 5GHz がお奨めです。詳細を表示する にチェックを入れるとデフォルトCHの設定や国別の設定ができます。日本国内では JP 以外の設定を行わないでください。 |
SSID | 任意のアクセスポイント名を入力。 SSIDを一般から見えないようにするには ステルスSSIDフラグ にチェックを入れます。 |
無線認証と無線暗号化 | プルダウンメニューから任意のモードを選びます。 デフォルトの設定のままで使用して問題ありません。 |
パスフレーズ | 8文字以上のパスワードを設定します。 ※セキュリティ上、強度の高いパスワード設定をお奨めします。 |
AP隔離機能 | APモード として起動した際にクライアント間同士での通信を無効とする機能です。外来者にも無線LANを使わせたい時などに 使用する に設定します。この隔離モードでは子機の全てが上流ネットワーク(インターネット)のみへのアクセス制限となります。 |
802.11n使用設定 | 通常は使用しない に設定します。APモードでかつ802.11n認証を用いる場合 使用する に設定します。 |
IPアドレス | 本装置の無線LAN向けのIPアドレスと/ 以下にネットマスクのビット数を入力します。 |
IP配布レンジ | APモード では、本装置が下流ノードへのDHCPサーバとして動作します。下流ノードがIPアドレスを取得する為、配布するIPアドレスのレンジを設定します。 |
DHCP用デフォルトゲートウェイ | DHCPクライアントに通知するデフォルトゲートウェイのIPアドレスを設定します。 |
DHCP用DNSサーバ | DHCPクライアントに通知するDNSのIPアドレスを設定します。 |
固定IP設定 | 固定IPを配布する際に使用する及び設定を行います。 |
警告
無線LANのAPモードとして機能はしますが、専用OSを使った無線LAN親機の様に多台数のクライアントを接続したり高付加をかけての連続運用には適していません。
こういった要求仕様のあるシステムでは専用の無線LAN親機をご利用ください。
有線LANの親機モードとしての設定
本装置を下流ネットワークに対しての有線LAN親機(ルーター&DHCPサーバー)としての設定を解説します。
WEB-UIのネットワーク
>基本
タブに設定用ペインサービスネットワーク (eth0)
があります。
※OpenBlocks IX9の場合eth0~3の4ポートあり、それぞれDHCPサーバーなどの設定ができます。
このペインの使用設定
のラジオボタンを使用する
にすると詳細が表示されます。
以下のサンプル画面を参考にして必要な内容を入力してください。
設定が終わったら一旦保存
ボタンを押しますが、まだOpenBlocksを再起動しないでください。
他の下流ネットワークの設定が無ければシステム再起動による設定項目の反映へ進んでください。
項目 | 説明 |
---|---|
使用設定 | 使用する場合のみ使用する を選択してください。 |
IPアドレス設定 | OpenBlocks自身のethポートのIPアドレス の設定方法そ指定します。固定IPの場合は 静的 、下流ネットワークドメインのDHCPサーバーからIPを割り当ててもらう場合はDHCP を選択。DHCP を選択する場合、DHCPサーバが本装置に固定IPを配布するよう対象のDHCPサーバーを設定します。 |
IPアドレス(静的) | 下流ネットワークドメイン内でのIPアドレス設定 が静的 の場合、設定したい固定IPを入力します。 |
DHCPサーバ機能 | 下流ネットワークの対してOpenBlocksがDHCPサーバーとなる場合使用する を選択します。 |
IPアドレス設定 | Ethernetに設定するIPアドレスを設定します。静的を選択した場合、以下の項目が表示されます。 |
IPアドレス(静的) | 静的アドレスを使用する場合には、本項目欄にてIPアドレスを設定してください。 |
DHCP機能 | サービスネットワーク(Wireless LAN)と同様にDHCP機能を使用する場合に「使用する」を選択 します。 設定項目は同様に「DHCP用デフォルトゲートウェイ」、「DHCP用DNSサーバ」、「固定IP設定」と なります。 |
固定IP設定 | DHCPクライアントへ固定IPを配布する際に使用する設定を行います。 |
通信検証機能 | 通常では使用しない を選択します。ネットワークカメラ等の通信先が存在する場合には 使用する を選択します。使用する を選択した場合、通信検証用アドレスフォームが表示されます。表示されているホストに対してPINGによるネットワークの安定稼働確認が行われますので、ネットワークカメラ等のIPアドレスを入力してください。 |
管理専用の有線LANポートの設定
OpenBlocksを本番運用する前までの限定的な機能ですが、これを設定しておくと開発や保管時に大変便利です。
もし空いている有線LANポートがあればWEB-UI直結用の設定をしておくと、パソコンとLANケーブル1本でOpenBlocksに簡単にアクセスできます。
以下の様に設定し保存します。
※パソコンの有線LANポートに固定IPを振っている場合は、それを解除する必要があります。
この設定を入れておくと初期化の終った後のOpenBlocksでも、WindowsパソコンのLANポートとLANケーブルの接続だけでWEB-UIにアクセスできます。
WEBブラウザのURL
にIPアドレスhttp://169.254.0.200:880
と入れると接続できます。
警告
OpenBlocksを本番運用する時には、この設定を必ず外してください。
使用設定を使用しない
に変更して保存。
システム再起動による設定項目の反映
前項までがOpenBlocksを運用するために必要な最小限の設定項目です。
このため一旦、これまでの設定情報を保存しネットワーク設定などを有効化します。
有効化すると、現在のWEB-UIまでの接続情報が設定内容によっては使えなくなりますので、再起動後はこのOpenBlocksのアドレスやSSIDが設定内容によってどう変わるのか予め意識しておくことが必要です。
警告
有線LANを使ってWindowsパソコンと1対1接続している場合このモードの使用も解除されてしまい、有線LANがユーザー設定状態にされるか、未設定の場合でも有線LANは使用しない
にされてしまうので注意してください。
では、システム再起動の解説へ移ります。
ネットワーク設定の保存ボタン
を押すとネットワーク設定
タブの最上段に再起動
のメッセージリンクが出てシステム再起動を促します。
システム再起動には、この赤枠で表示されたメッセージの再起動
リンクをクリックします。
クリックするとメンテナンスメニュー内の停止、再起動タブに表示が切り替わります。
この画面内の再起動の実行
ボタンを押します。
さらに再起動の確認画面が現れるので実行
ボタンを押すと、最終確認ウィンドウがポップアップします。
これが最後の確認でOK
ボタンを押すとシステム再起動が始まります。
再起動はシステムの状態によりますが、表示されているカウントダウンタイマー通り数十秒お待ちください。
info
システムが再起動されるとWEB-UIで設定された新しいIPアドレスやSSIDで起動するので、WEBブラウザには新しいOpenBlocksのIPアドレスを設定してください。
例:IPアドレスが192.168.253.254
の場合、ブラウザのURLにはhttp://192.168.253.254:880
かセキュアなhttps://192.168.253.254:4430
を利用してアクセスします。
また、SSIDを切り替えている場合にはPCやスマートフォンの接続するSSIDの設定を変更してください。
概ねの起動時間が経過したら、新しく設定したIPアドレスでWEB-UIにアクセスします。
IPアドレスが変更ない場合でのシステム再起動であればWEB-UIはタイマーのカウントダウン経過後自動的にリロードされます。
※WEB-UIへのアクセスはWEBクライアントが同一LAN内なら上流でも下流ネットワークのどちらかからでもアクセスできます。
管理者ログイン画面
本装置が出荷直後の状態にない時、最初に表示される画面です。
一度ログアウトしてしまっても、この画面からのスタートになるので、ここからログインしてください。
ダッシュボード画面
本装置のWEB-UIにログインすると最初に表示される画面です。
ここではOpenBlocksのハードウェアリソースやネットワーク情報が表示されます。
サービス機能を追加登録している場合は、それぞれのデーモンの状態が表示され、それぞれのプロセスの停止や起動ができます。
最新の状態を表示させるには更新ボタンを押してください。
Linuxコマンドラインによる操作
本装置のシステム開発においては、WEB-UIによる操作のみでは不十分です。
従って、ここではLinuxのコマンドラインへのログインについて解説します。
なお、ここでの解説はWindowsパソコンを前提にしています。
コンソールからのログイン
- BXシリーズの場合、標準添付品のケーブルをACアダプタに接続せずパソコンのUSBポート(Type-A)に接続します。
- EX1シリーズ、VXシリーズ、IX9シリーズの場合、consoleポート(micro USB Type-B)に添付のUSBケーブルを接続しパソコンのUSBポート(Type-A)に接続します。
WindowsのUSBシリアルドライバの確認
OpenBlocksをUSBケーブルでWindowsパソコンに接続するとUSBシリアルポートが認識されます。
USBシリアルの認識に成功するとデバイスマネージャには以下の通りSilicon LabsのCP210xまたはFTDIと表示されます。
もし、Windowsから認識されない場合は、USBシリアルドライバが登録されていない可能性があります。
その時は下記のWEBからドライバをインストールしてください。
USBシリアルドライバのダウンロードページ
- BX1/EX1のFTDIドライバページ
https://www.ftdichip.com/Drivers/VCP.htm - BX0/BX3/BX5/VX1/VX2/IX9のCP210xドライバ
https://jp.silabs.com/products/development-tools/software/usb-to-uart-bridge-vcp-drivers
通信ソフトの準備
USBシリアルの認識に成功したらTera Termなどの通信ソフトでログインします。
Tera Termの接続先はWindowsで認識されたUSBシリアルポートを選びます。
次にシリアルポートの通信設定を行います。 スピードを115200に設定します。
接続に成功したらrootログインします。
ログインパスワードは自分でセットしたパスワードを使ってください。
ログイン出来たら準備完了です。
info
OpenBlocks IX9では、一時的にコンソールが反応しなくなる現象を確認しております。
SSHからのログインを推奨いたしますが、一時的なコンソール作業にて安定化を行う場合には以下を実施してください。
- 起動時のGRUB画面からのボーレート変更
GRUBメニューにて起動対象を選択し、"e"キーにて編集モードに入ります。
kernel行にて、"e"キーを入力し対象行のconsole=ttyS0,115200n8
をconsole=ttyS0,57600n8
へと変更しEnterキーを押します。
その後、"b"キーを押すことでOpenBloks IX9が起動しはじめます。
- 通信ソフトのシリアルポートのスピードを
115200
から57600
へ変更します。
SSHからのログイン
有線・無線LAN経由のSSHでLinuxコマンドラインにログインする方法もあります。
先ず、OpenBlocksのWEB-UIのシステム
→フィルター
タブからフィルター解放設定
ペインにあるSSH
を有効にします。
解放ポリシー
は任意のポリシーを選んでください。
設定したら保存ボタンを押します。
これでネットワークのSSHポートが開きます。
また、この状態ではSSHでのrootアカウントのログインは鍵認証となっています。
SSHの公開鍵の登録またはパスワード認証に切り替える場合は、SSHの鍵交換 項を参照しrootログイン許可設定
にて許可
を設定してください。
通信ソフトの準備
SSHフィルターを解放したらTera Termなどの通信ソフトでログインします。
Tera Termのファイル
→新しい接続
で接続先のホスト名またはIPアドレスを入力します。
ログインの設定を行います。
SSH画面が開きます。
警告
SSHポートは使い終わったら必ずフィルター解放設定
を無効
にするのを忘れずに!
どうしてもSSHを開けて運用したい場合は、SSHの鍵交換を行って鍵を持ったクライアントだけのアクセスに制限しましょう!
初期化のやり直し
設定に間違った内容を書き込んで保存してしまった時などは、WEB-UIの設定項目のみをリセットして初期設定をやり直すことができます。
OpenBlocks IoT VXシリーズおよびIX9シリーズの場合
- シリアルコンソールからログインしてパソコンと接続します。
- 次に本装置のパワースイッチを押して、本装置をシャットダウンしパワーOFFします。
- パワーOFFになったのを確認後にもう一度パワースイッチを押します。
- GRUBメニューにて”WebUI init boot”を選択します。(キー受付時間の5秒以内の選択)
- 本装置のネットワークが工場出荷状態で起動してきます。
- もう一度使用許諾画面からやり直してください。
OpenBlocks IoT BXシリーズおよびEXシリーズの場合
- 先ず本装置のパワースイッチを押して、本装置をシャットダウンします。
- 本装置のFUNCスイッチ(INITスイッチ)を押しながらパワースイッチを押しLEDステータスインジケーターが一瞬点灯したらパワースイッチのみ離します。(FUNCスイッチはそのまま)
- LEDステータスインジケータが黄色になったらFUNCスイッチを離します。
- 本装置のネットワークが工場出荷状態で起動してきます。
- もう一度使用許諾画面からやり直してください。
info
この初期化においてはWEB-UIに関する情報のみのリセットなので、装置全体を工場出荷状態に戻すにはファクトリーリセットの章を参照ください。