複雑な構成の実現

PD Handler からのデータを Node-RED フィルタリングしたい場合、 WEB-UI の設定だけでも Node-RED をユーザー定義デバイスとすれば、 PD Repeater から lsocket を用いてデータを Node-RED に渡し、Node-RED の出力を PD Handler へ返す構成が可能ですが、データの収集において弊社用意するアプリケーション (PD Handler) を用いず、各デバイス等からデータを取得するアプリケーションをユーザーが独自に開発し、PD Repeater と連携しクラウドにデータを送信する方法を説明します。

IoTデータ制御のアプリ設定に示すユーザー定義のコンフィグを使用しUNIXドメインソケット名を変更することで、下図のようなよりスループットを意識した構成とすることが可能です。

設定ファイル(コンフィグ)はJSON形式で記載されており、UNIXドメインソケット名は次のキーで表記されます。

アプリ起動制御の設定項目

キー形式説明
bind文字列データを待ち受けるUNIXドメインソケット名。空白の場合は各アプリケーションのデフォルト値をプリフックスとし、デバイス番号を差フックスとするソケット名がもちいられる。先頭が @ の場合は抽象的ドメイン名(Abstract UNIX doamin name) であることを意図します。
push_to文字列データの送り先となるUNIXドメインソケット名。空白の場合は各アプリケーションのデフォルト値をプリフックスとし、デバイス番号を差フックスとするソケット名がもちいられる。先頭が @ の場合は抽象的ドメイン名(Abstract UNIX doamin name) であることを意図します。

Beacon デバイス(PD Handler BLE)を例に設定方法を示します。

  1. IoTデータ制御のアプリ設定に示す「コンフィグ設定モード」が「本システムコンフィグ」であることを確認します。
    WEB-UIの「IoTデータ」→「アプリ設定」タブより、「コンフィグ設定モード表示」をチェックしてPD Handler BLEが「本システムコンフィグ」となっていることを確認します。

  1. WEB-UIの「IoTデータ」→「送受信設定」タブの「送受信設定」メニューより、送受信先の設定を行います。
    設定方法は送受信設定(PD Repeater)を参照して下さい。
  2. WEB-UIの「IoTデータ」→「送受信設定」タブの「ビーコン送信設定」メニューより、ビーコンを受信し送信する設定を行います。
    設定方法はビーコン送信設定を参照して下さい。
  3. ここまでの設定で下図のようにPD Repeater は、UNIXドメインソケット @/pd_repeater/device_beacon.sock でデータを持ち受け、PD Handler BLE は @/pd_repeater/device_beacon.sock にデータ書き込むよう設定されます。
    ここでUNIXドメインソケット名の @ はソケットが抽象的ドメイン名 (Abstract UNIX doamin name) であることを意図するものです。

  1. 「コンフィグ設定モード」を「ユーザー設定コンフィグ」に切り替えます。
    WEB-UIの「IoTデータ」→「アプリ設定」タブより、「コンフィグ設定モード表示」をチェックして PD Handler BLEを「ユーザー設定コンフィグ」に切り替えます。

  1. WEB-UIにより作成されたシステムコンフィグをユーザーコンフィグとしてコピーし、UNIXドメインソケット名を @/pd_repeater/device_beacon.sock から @/node-red/device_beacon.sock に変更します。

    6-1. WEB-UIの「IoTデータ」→「編集」タブより、「編集対象ファイル」として「PD Handler BLE」を選択します。
    6-2.「Load(システムコンフィグ)」をクリックします。テキストエリアに表示された設定情報(JSON文字列)をコピーします。
    6-3.「Load(ユーザーコンフィグ)」をクリックします。2項で取得した設定情報(JSON文字列)をテキストエリアにペーストします。
    6-4. "push_to"キーの値を "@/node-red/device_beacon.sock"に変更します。
    6-5.「保存」をクリックします。

  1. Node-REDのUNIXドメインソケット入力ipc-inノードのプロパティを設定します。
    Node-REDの利用方法についてはNode-REDスターターガイドを参照して下さい。

    ipc-inノードを配置し、プロパティの「Path」を "/node-red/device_beacon.sock" に設定し、「Abstract Flag」をチェツクします。

  1. Node-RED の UNIXドメインソケット出力ipc-outノードのプロパティを設定します。 。

    ipc-outノードを配置し、プロパティの「Path」を "/pd_repeater/device_beacon.sock "に設定し、「Abstract Flag」をチェツクします。

以上の設定で PD Handler BLE は @/node-red/device_beacon.sock にデータ書き込み、 Node-RED は @/node-red/device_beacon.sock でデータを待ち受け @/pd_repeater/device_beacon.sock に書き込むように設定されます。