仮想アプライアンス インストール方法

グラフィカル インストール方法

info

本項ではVMware ESXi 8に仮想アプライアンスをインストールしています。アプライアンスの初期設定にてIPアドレス、DNSサーバー、デフォルトゲートウェイの情報が必要なため確認しています。
他の仮想環境については同様に設定を行ってください。

1. VMware ESXi Host Clientへのログイン

構築済みのVMware ESXi Host Clientにログインします。

ESXi_HostLogin

info
  • 各種仮想環境自体については構築済みとして説明しております。新規に構築する場合には、使用する仮想環境のドキュメントや構築情報をご参照下さい。
  • VMware Workstation Player及びVMware Workstation Proの場合にはインストールしたアプリケーションを起動してください。

2. 仮想マシンの作成

  1. 仮想マシンの作成/登録を選択します。

ESXi_HostLoginFrame

info
  • VMware Workstation Player及びVMware Workstation Proの場合は、新規仮想マシンの作成を選択して、以降の内容についてほぼ同様の内容を実施してください。
  1. 新規仮想マシンを作成するウィンドウが表示されますので、作成タイプが新規仮想マシンが選択されていることを確認し次へを選択します。

ESXi_GuestCreate1

  1. 名前とゲストOSの選択をするウィンドウが表示されますので、設定を行い次へを選択します。
    今回はサンプルとして名前はEasyBlocksNetworkReporterとしています。
    また、ゲストOSファミリはLinux、ゲストOSのバージョンはDebian GNU/Linux 11(64ビット)を選択します。

ESXi_GuestCreate2

info

仮想環境によってはゲストOSのバージョンにDebian GNU/Linux 11が存在しない場合があります。この時はDebian GNU/Linux 10その他のLinuxを選択してください。

  1. ストレージを選択をするウィンドウが表示されますので、変更する場合には適宜変更を行います。問題がなければ次へを選択します。

ESXi_GuestCreate3

  1. 設定のカスタマイズウィンドウが表示されますので、CPU・メモリ・ハードディスク・CD/DVDドライブの設定を変更します。
    CD/DVDドライブの設定はデータストアISOファイルを選択してください。
  • EasyBlocks Network Reporter動作環境
項目最低動作環境推奨動作環境
CPUコア数2以上2以上
メモリ1024MB(1GB)以上8192MB(8GB)以上
ハードディスク30GB以上120GB以上
ネットワークアダプタブリッジブリッジ
caution
  • ネットワークアダプタ設定はブリッジを使用します。そのため、ネットワーク接続をブリッジへ変更してください。
info
  • EasyBlocks Network Reporterの場合
    • ハードディスクの容量はログ保存量として扱いますので、大量保存を行う場合には可能な限り大容量を設定してください。
    • CPUはログ検索等の処理に影響します。そのため、高速動作を求める場合には高速なCPUをご使用ください。

ESXi_GuestCreate4-1-1

  1. データストアISOファイルを選択した場合、データストアブラウザのウィンドウが表示されます。
    インストールするISOファイルを選択して選択を押してください。
    インストールするISOファイルをアップロードしたことがない場合には、アップロードからダウンロードしたISOファイルをアップロードしてください。

ESXi_GuestCreate4-2

  1. データストアISOファイルの選択が完了後、設定のカスタマイズウィンドウに戻ります。
    他のカスタマイズによる変更がない場合には、次へを選択します。

ESXi_GuestCreate4-1-1

  1. 設定の確認ウィンドウが表示されますので、設定内容について確認を行います。問題がなければ、完了を選択します。

ESXi_GuestCreate5

  1. ナビゲータペインから仮想マシンを選択します。仮想マシン一覧画面へと切り替わります。 仮想マシン一覧画面から先ほど設定した仮想マシン(今回の場合、EasyBlocksNetworkReporter)を選択します。

ESXi_GuestListInstall

  1. 仮想マシン単体の画面に切り替わり後、ペンギン画像が表示されている部分を選択します。

ESXi_GuestListInstallBootFrame

  1. 仮想マシンのブラウザコンソールが表示されますので、インストールメニューを選択してください。
    無入力の場合、一定時間経過後に自動でインストールされます。

ESXi_GuestListInstallMenu

インストールメニュー内容
Auto Installネットワーク設定を自動構成(DHCP)にて仮想アプライアンスがインストールされます。
Setting Installネットワーク設定を静的IPアドレスを設定後に仮想アプライアンスがインストールされます。
途中で入力画面が出ますので、こちらを参考に実施してください。
  1. インストールが完了すると、以下のような黒い画面のみの表示になりインストールが完了します。

ESXi_GuestListInstalled

3. 仮想アプライアンスのネットワーク情報確認

インストール完了後の仮想マシンのネットワーク情報を確認します。

  1. ネットワーク情報を確認する為、ebsupportユーザーにてログインを行います。
    ログインする為のアカウント・パスワード情報についてはこちらから確認してください。

  2. ログイン後に仮想マシンに付与されているIPアドレス情報を確認する為、1を入力します。
    以下のように表示され、赤枠部分がIPアドレス(今回の場合、172.16.7.137)となります。

ESXi_InstalledIPaddr

  1. ログイン後に仮想マシンに付与されているDNSサーバー・デフォルトゲートウェイのIPアドレスを確認する為、2を入力します。
    以下のように表示され黄枠部分がDNSサーバーのIPアドレス(172.16.2.3及び172.16.2.6)、オレンジ枠部分がデフォルトゲートウェイのIPアドレス(172.16.7.1)となります。

ESXi_Installed_DNS_DefaultRoute

コンソール インストール方法

info

本項ではKVM環境向けにコンソールにてインストールしています。
グラフィカルインターフェースを持たないHWでの手順として参考にしてください。
ホストマシンはOBSA16/D11A/K120GのSSD搭載モデル(仮想対応版)を用いています。使用するマシンやKVMバージョンが異なる場合には適宜環境に合わせて実施してください。
OBSA16/D11A/K120Gを初期化した場合、下記の実施する前に事前準備が必要になりますのでこちらをご確認ください。

仮想マシンの作成

ISOファイル取得

仮想マシンを作成する為のISOファイルを取得します。
各仮想アプライアンスのISO取得用のURLは、取得先を確認してください。

# wget <ISOファイル取得URL> -O /home/ebvm-arm64.iso

仮想マシンのインストール

以下についてはEasyBlocks Network Reporterの仮想版を構築するサンプルコマンドです。
インストールが完了したら、自動で再起動されます。
インストール完了後に仮想マシンのコンソールから抜け出す場合にはCtrl + ]を押してください。

マシンスペックを変更する場合、以下のパラメータを変更し処理してください。

オプション備考
--nameebnr仮想マシン名称
--memory1024仮想マシンの割り当てメモリサイズ([MB]単位)
--disksize=30仮想マシンのストレージサイズ指定([GB]単位)
--vcpus2仮想マシンへ割り当てCPU数
--networkbridge=br0仮想マシンのネットワークをブリッジ設定へ。
br0はインターフェース名の為、こちらで設定した値。
DHCPによるインストール

DHCPによる自動ネットワーク設定によるインストールです。
ネットワーク環境に制限がない環境では、自動でインストール完了まで実施されます。

# virt-install \
--connect=qemu:///system \
--name ebnr \
--memory 1024 \
--disk size=30 \
--vcpus 2 \
--virt-type kvm \
--network bridge=br0 \
--graphics none \
--console pty,target_type=serial \
--location /home/ebvm-arm64.iso \
--extra-args "console=ttymxc0,115200 net.ifnames=0 auto=true preseed/file=/cdrom/ebnr.cfg"
IPアドレス設定でのインストール

ネットワーク設定を静的IPアドレスを設定後に仮想アプライアンスがインストールする方法です。
途中で入力画面が出ますので、ネットワーク設定についてはこちらを参考に実施してください。

# virt-install \
--connect=qemu:///system \
--name ebnr \
--memory 1024 \
--disk size=30 \
--vcpus 2 \
--virt-type kvm \
--network bridge=br0 \
--graphics none \
--console pty,target_type=serial \
--location /home/ebvm-arm64.iso \
--extra-args "console=ttymxc0,115200 net.ifnames=0 auto=true preseed/file=/cdrom/ebnr_static.cfg"

インストール完了後のネットワーク情報確認

インストール完了後の仮想マシンのネットワーク情報を確認します。

  1. ネットワーク情報を確認する為、ebsupportユーザーにてログインを行います。
    ログインする為のアカウント・パスワード情報についてはこちらから確認してください。

  2. ログイン後に仮想マシンに付与されているIPアドレス情報を確認する為、1を入力します。
    以下のように表示され、赤枠部分がIPアドレス(今回の場合、172.16.7.147)となります。

Term_KVMInstalledIPaddr

  1. ログイン後に仮想マシンに付与されているDNSサーバー・デフォルトゲートウェイのIPアドレスを確認する為、2を入力します。
    以下のように表示され黄枠部分がDNSサーバーのIPアドレス(172.16.2.3及び172.16.2.6)、オレンジ枠部分がデフォルトゲートウェイのIPアドレス(172.16.7.1)となります。

Term_KVMInstalled_DNS_DefaultRoute

補足

IPアドレス設定でのインストールについて

インストールメニューからSetting Installを選択した場合、途中で入力画面が表示されます。
以下の流れにて入力項目が表示されますので、設定してください。

  1. 仮想アプライアンスに付与する静的IPアドレスを設定します。

InputSetting_ipaddr

  1. 仮想アプライアンスに付与する静的IPアドレスに対応するネットマスクを設定します。

InputSetting_cidr

  1. 仮想アプライアンスにデフォルトゲートウェイのIPアドレスを設定します。

InputSetting_gateway

  1. 仮想アプライアンスにDNSサーバーのIPアドレスを設定します。

InputSetting_nameserver

OBSA16の初期化後の事前準備

ファクトリーリセットを実施した場合、通常のOBSA16向けの初期状態となります。
その場合、仮想環境向けのホストに必要なデータがなくなりますので以下の手順にて事前準備を実施してください。

必用パッケージのインストール

インターネットへ接続できる環境にし、KVM環境を動作させるために必要なパッケージをインストールします。

# dhclient eth0
# apt update
# apt -y install qemu-kvm libvirt-daemon-system libvirt-daemon virtinst bridge-utils libosinfo-bin

スワップメモリ領域の準備

OBSA16ではメモリは2GB搭載の為、ゲストOSにメモリを割り当てた場合ホスト側のメモリ量が足りなくなる恐れがあります。
そのため、スワップメモリを追加しホストが安定稼働できるようにします。
以下の手順では2GBのスワップメモリを追加しています。

# dd if=/dev/zero of=/swapfile bs=1M count=2048
# mkswap /swapfile
# chmod 600 /swapfile
# swapon /swapfile
# echo -e "/swapfile\tswap\tswap\tdefaults\t0\t0" >> /etc/fstab

ブリッジインターフェースの作成

ネットワーク設定を変更し、ブリッジインターフェースを設定します。

# vi /etc/network/interfaces

以下は設定ファイルのサンプルです。
ブリッジ用インターフェースはeth0インターフェースとブリッジする為、ブリッジ用インターフェースのMACアドレスはeth0のMACアドレスとしてください。
以下の場合は、00:00:00:00:00:00がブリッジ用インターフェースのMACアドレスとなります。以下の場合、ブリッジ用インターフェース設定はDHCPによるIPアドレスを取得する設定となっています。

# Used by ifup(8) and ifdown(8). See the interfaces(5) manpage or
# /usr/share/doc/ifupdown/examples for more information.
auto lo
iface lo inet loopback
#auto eth0
#iface eth0 inet dhcp
#auto eth0
#iface eth0 inet static
#address 192.168.254.254
#network 192.168.254.0
#netmask 255.255.255.0
#broadcast 192.168.254.255
#gateway 192.168.254.1
auto eth0
iface eth0 inet manual
auto br0
iface br0 inet dhcp
bridge_ports eth0
bridge_stp off
hwaddress ether 00:00:00:00:00:00
#auto br0
#iface br0 inet static
#address 192.168.254.254
#network 192.168.254.0
#netmask 255.255.255.0
#broadcast 192.168.254.255
##gateway 192.168.254.1
#bridge_ports eth0
#bridge_stp off
#hwaddress ether 00:00:00:00:00:00
#auto eth1
#iface eth1 inet dhcp
#auto eth1
#iface eth1 inet static
#address 192.168.253.254
#network 192.168.253.0
#netmask 255.255.255.0
#broadcast 192.168.253.255
#gateway 192.168.253.1

編集した設定ファイルを保存します。

:wq

設定反映

ホストマシンの再起動を行います。

# reboot

前項まで設定した内容が反映されているか確認を行います。
free コマンドのSwap行の数値が0以外の場合、スワップメモリとして認識しています。
ip addr コマンドのinet行にてIPアドレスが付与されていることを確認してください。

# free
total used free shared buff/cache available
Mem: 1992144 1178352 392108 272 421684 730376
Swap: 2097148 734464 1362684
# ip addr
1: lo: <LOOPBACK,UP,LOWER_UP> mtu 65536 qdisc noqueue state UNKNOWN group default qlen 1000
link/loopback 00:00:00:00:00:00 brd 00:00:00:00:00:00
inet 127.0.0.1/8 scope host lo
valid_lft forever preferred_lft forever
2: eth0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc mq master br0 state UP group default qlen 1000
link/ether 00:00:00:00:00:00 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
3: eth1: <BROADCAST,MULTICAST> mtu 1500 qdisc noop state DOWN group default qlen 1000
link/ether 00:00:00:00:00:01 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
4: br0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc noqueue state UP group default qlen 1000
link/ether 00:00:00:00:00:00 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
inet 172.16.7.100/24 brd 172.16.7.255 scope global dynamic br0
valid_lft 54048sec preferred_lft 54048sec

KVM 使用頻度の高いコマンド

仮想マシン一覧確認コマンド

  • 稼働中マシンのみ表示
# virsh list
  • 停止中含む全マシン表示
# virsh list --all

仮想マシン自動起動設定

仮想マシンをホストの起動時に自動で起動するように設定するコマンドです。

# virsh autostart <仮想マシン名>
info

自動起動を無効化する場合には、--disableオプションをつけて実行してください。

仮想マシン起動コマンド

停止中の仮想マシンを起動するコマンドです。

# virsh start <仮想マシン名>
info

--consoleオプションにて、起動と同時に仮想マシンのコンソールへアクセスできます。

仮想マシン停止コマンド

稼働している仮想マシンを停止(シャットダウン)するコマンドです。

# virsh shutdown <仮想マシン名>

仮想マシン コンソールアクセスコマンド

稼働している仮想マシンのコンソールへアクセスするコマンドです。

# virsh console <仮想マシン名>
info

既にコンソールがアクセスされている場合には、アクセスは行えません。

仮想マシン情報確認コマンド

# virsh dominfo <仮想マシン名>

仮想マシン削除コマンド

# virsh undefine <仮想マシン名> --remove-all-storage
info
  • --remove-all-storageオプションにて管理対象除外及び仮想マシンに紐づけられたボリュームファイルが削除されます。
  • OpenBlocks A16の場合、--nvramオプションをつけてください。

pool名確認コマンド

仮想マシンのボリュームの確認・削除を行う場合、pool名を確認する必用があります。

# virsh pool-list --all

ボリューム一覧確認コマンド

poolに所属してい仮想マシンのボリューム名一覧を確認します。

# virsh vol-list <pool名>

ボリューム情報確認コマンド

# virsh vol-info --pool <pool名> <ボリューム名>

仮想マシン設定変更

info
  • 仮想マシンの稼働中に設定変更を行った場合、設定が仮想マシンの再起動まで反映されない恐れがあります。そのため、事前に仮想マシンを停止し実行してください。
  • 設定変更については、永続的に設定変更することを推奨します。CPU数及びメモリ量の変更については、以下のように--configオプションを付与し実行してください。
仮想マシン CPU数変更コマンド
# virsh setvcpus <仮想マシン名> <仮想マシンCPU数> --config
仮想マシン メモリ量コマンド
# virsh setmaxmem <仮想マシン名> <仮想マシンメモリ量> --config
info

仮想マシンメモリ量を2GByteへ変更するコマンドサンプルです。

# virsh setmaxmem debian 2G --config
仮想マシン ボリュームサイズ変更コマンド
# virsh vol-resize <ボリューム名> --pool <pool名> <仮想マシンボリュームサイズ>
caution

ボリュームサイズの縮小をした際の挙動については保証されません。

info

仮想マシンボリューム(ストレージ)サイズを50GiBへ変更するコマンドサンプルです。

# virsh vol-resize debian.qcow2 --pool default 50GiB